接線と法線
基本となるのは、既に学習している『1点を通り、傾き$\ m\ $の直線』の方程式である。
接線の方程式
関数$\ y=f(x)\ $上の点$\ A(a,\ f(a))\ $における接線について考える。
微分係数の定義から、その傾きは$\ f'(a)\ $である。(定義が不安な人はこちら:微分係数の定義と意味)
よって、点$\ A\ $における接線の方程式は
$\boldsymbol{y-f(a)=f'(a)\cdot (x-a)}$ $\Leftrightarrow\ y=f'(a)\cdot x+(f(a)-af'(a))$
である。
法線の方程式
関数$\ y=f(x)\ $上の点$\ A(a,\ f(a))\ $における接線と直交する直線を法線と呼ぶ。
直交する2つの直線において、その傾きの積が$\ -1\ $となることから、点$\ A\ $における法線の方程式は
➀ $f'(a)=0\ $のとき、$x=a$
➁ $f'(a)\neq 0$のとき、
$\boldsymbol{y-f(a)=-\dfrac{1}{f'(a)}(x-a)}$ $\Leftrightarrow\ y=-\dfrac{1}{f'(a)}x+\left( f(a)+\dfrac{1}{f'(a)}a\right) $
である。
◎実際に以下の例題を解いて接線・法線の求め方を確認してほしい。
例題に挑戦しよう
≪問題≫
(1) 曲線:$y=x^3-4x\ $上の$\ x=-1\ $の点における接線の方程式を求めよ。
(2) 曲線:$y=x^2+3x-2\ $の接線のうち、傾きが5であるものの方程式を求めよ。
(3) 曲線:$y=x^2\ $の接線のうち、$点(0,-1)\ $を通るものの方程式と接点の座標を求めよ。また、接点における法線の方程式を示せ。
≪解答・解説≫
接線を求める問題は、接点が既知か否かでパターン分けできる。
(1)は曲線上の点における接線を求める、接点が既知のパターン
(3)は曲線外から引いた接線を求める、接点が不明のパターン
である。
(1)
$y=(-1)^3-4\cdot (-1)=3\quad $より、接点は$(\textcolor{cornflowerblue}{-1},\textcolor{cornflowerblue}{3})$
$y’=3x^2-4\quad $より、接線の傾きは$\ 3\cdot (-1)^2-4=\textcolor{limegreen}{-1}$
よって、求める接線の方程式は
$y-\textcolor{cornflowerblue}{3}=\textcolor{limegreen}{-1}\cdot \{ x-(\textcolor{cornflowerblue}{-1})\} \Leftrightarrow \boldsymbol{y=-x+2}$
(2)
$y’=2x+3=\textcolor{limegreen}{5}\Leftrightarrow x=1$
$y=1^2+3\cdot 1-2=2\quad$より、接点は$(\textcolor{cornflowerblue}{1},\textcolor{cornflowerblue}{2})$
よって、求める接線の方程式は
$y-\textcolor{cornflowerblue}{2}=\textcolor{limegreen}{5}(x-\textcolor{cornflowerblue}{1})\Leftrightarrow \boldsymbol{y=5x-3}$
(3)
$y=x^2$上の接点を$A(\textcolor{cornflowerblue}{a},\textcolor{cornflowerblue}{a^2})$とする。
$y’=2x \quad $より、点$A$における接線は
$y-\textcolor{cornflowerblue}{a^2}=\textcolor{limegreen}{2a}(x-\textcolor{cornflowerblue}{a}) \Leftrightarrow y=2ax-a^2$
これが点$(\textcolor{blueviolet}{0},\textcolor{blueviolet}{-1})$を通ることから、
$\textcolor{blueviolet}{-1}=2a\cdot \textcolor{blueviolet}{0}-a^2 \Leftrightarrow \textcolor{cornflowerblue}{a=\pm 1}$
よって、
$\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{1}
接点:(\boldsymbol{1},\boldsymbol{1})\ のとき、接線:\boldsymbol{y=2x-1},\ 法線:\boldsymbol{y=-\dfrac{1}{2}x+\dfrac{3}{2}}\\[3pt]
接点:(\boldsymbol{-1},\boldsymbol{1})\ のとき、接線:\boldsymbol{y=-2x-1},\ 法線:\boldsymbol{y=\dfrac{1}{2}x+\dfrac{3}{2}}
\end{array}
\right.
\end{eqnarray}$
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