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微分方程式

微分方程式

微分方程式($f(x)$ と $f'(x)$ の等式)を解くのは基本的にはかなり難しいものである。しかし、そこに整式のという条件が付くと簡単に解くことが可能となる。
$f(x)$ を文字でおき、恒等式の係数の問題に帰着させればよいのである。

以下の具体例で確認してみよう。

例 $(x-1)f'(x)-2f(x)=4,\ f(0)=0\ $であるとき、$f(x)$を求めよ。

与式より、$(x-1)f'(x)=2f(x)+4 ・・・・・・①$

[step 1] 定関数かどうかの確認
今、$f(x)=c \ (c:定数)$とすると、$f'(x)=0\ $であるとき➀から
$\ 0=2c+4\ $すなわち$\ c=2\ $となるが、これは$\ f(0)=0\ $に反する。
よって、$f(x)$は定関数ではない

[step 2] 次数の決定を目指す
次に、$f(x)$の最高次数の項が$ax^n\ (a\neq 0)\ $であるとすると
①の左辺の最高次数の項:$anx^n$
①の右辺の最高次数の項:$2ax^n$
である。
よって、$2a=an\ \Leftrightarrow \ n=2\ $である。

[step 3] 関数を確定する
これらと$\ f(0)=0\ $より
$f(x)=x^2+bx,\ f'(x)=2ax+b$とできるので、①より
$\begin{eqnarray} (x-1)(2ax+b) &=& 2(ax^2+bx)+4\\[2pt] 2ax^2+(b-2a)x-b &=& 2ax^2+2bx+4 \end{eqnarray}$
よって、係数を比較して $a=2, \ b=-4$
∴ $\boldsymbol{f(x)=2x^2-4x}\ $である。

手順を確認できたら、以下の例題にも挑戦してみてほしい。

例題に挑戦しよう

≪問題≫

整式$f(x)$が$\ (x+1)f'(x)-3f(x)+2x-1=0, \ f(0)=1\ $を満たすとき、$f(x)$を求めよ。

≪解答・解説≫

$f(x)$の最高次数の項が$\ ax^n\ (a\neq 0)\ $であるとする。
与式より、$(x+1)f'(x)=3f(x)-2x+1 ・・・・・・①$


[1] $n=1\ $のとき
①の両辺で最高次数の係数を比較すると
$a=3a-2\ $より$\ a=1\ $となる。
このとき、$f(0)=1\ $より$\ f(x)=x+1\ $となるが、このとき①より$\ x+1=x+4\ $となるので、これは不適である。


[2] $n\neq 1\ $のとき
①の左辺の最高次数の項:$anx^n$
①の右辺の最高次数の項:$3ax^n$
であるから、$an=3a\ \Leftrightarrow \ n=3\ $である。


これと$f(0)=1\ $より
$f(x)=ax^3+bx^2+cx+1,\ f'(x)=3ax^2+2bx+c$
であるから、①より
$\begin{eqnarray} (x+1)(3ax^2+2bx+c) &=& 3(ax^3+bx^2+cx+1)-2x+1\\[3pt] (3a+2b)x^2+(2b+c)x+c &=& 3b^2+(3c-2)x+4 \end{eqnarray}$
よって、係数を比較して
$a=1,\ b=3,\ c=4$
∴ $\boldsymbol{f(x)=x^3+bx^2+4x+1}\ $である。

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