2曲線が直交する条件
2曲線が接するとき、$f(p)=g(p)$ かつ $f'(p)=g'(p)$ であった。
ここでは、2曲線が直交する(垂直に交わる)時の条件を見ていく。
2曲線の直交条件
『2曲線が$\ x=p\ $で直交する』⇔『2曲線が同一の接点($\ x=p\ $)において直交する接線を持つ』であり、その条件は以下のようになる。
$\begin{eqnarray} &\ &\left\{ \begin{array}{1} \textcolor{mediumorchid}{f(p)=g(p)}\quad (\textcolor{limegreen}{接点のy座標が一致})\\[3pt] \textcolor{mediumorchid}{f'(p)g'(p)=-1}\quad (\textcolor{limegreen}{接線の傾きの積が-1}) \end{array} \right. \end{eqnarray}$
2曲線が接するときの条件と比べて、傾きに関する条件が $\textcolor{mediumorchid}{f'(p)=g'(p)}$ から $\textcolor{mediumorchid}{f'(p)g'(p)=-1}$ に変わっただけである。
例題に挑戦しよう
≪問題≫
$y=x^3+\dfrac{3}{4}x\ $と$\ y=\dfrac{2}{3}x^2+a\ $が共有点を持ち、その共有点で直交しているとする。
このときの、定数$a$の値とそれぞれの曲線の接線の方程式を求めよ。
≪解答・解説≫
[1]
$f(x)=x^3+\dfrac{3}{4}x,\ $ $g(x)=\dfrac{2}{3}x^2+a\ $とする。
共有点が$x=p$であるとすると、$f(x)$上の接点を$\textcolor{limegreen}{A(p,f(p))}$、$g(x)$上の接点を$\textcolor{mediumorchid}{B(p,g(p))}$とおくことができる。
点$A$における接線の方程式は
$\textcolor{cornflowerblue}{f'(x)=3x^2+3x}\ $より
$\begin{eqnarray} y-f(p)&=&f'(p)(x-p)\\y&=&(\textcolor{cornflowerblue}{3p^2+3p})(x-\textcolor{limegreen}{p})+(\textcolor{limegreen}{p^3+\dfrac{3}{4}p})\qquad ・・・・・・➀ \end{eqnarray}$
点$B$における接線の方程式は
$\textcolor{palevioletred}{g'(x)=\dfrac{4}{3}x}\ $より
$\begin{eqnarray} y-g(p)&=&g'(p)(x-p)\\y&=&(\textcolor{palevioletred}{\dfrac{4}{3}p})(x-\textcolor{mediumorchid}{p})+(\textcolor{mediumorchid}{\dfrac{2}{3}p^2+a})\qquad ・・・・・・➁ \end{eqnarray}$
➀,➁より、この2曲線が直交する条件は
$\begin{eqnarray} &\ &\left\{ \begin{array}{1} f(p)=g(p)\Leftrightarrow\textcolor{hotpink}{p^3+\dfrac{3}{4}p=\dfrac{2}{3}p^2+a}\qquad ・・・・・・➂\\[3pt] f'(p)g'(p)=-1\Leftrightarrow\textcolor{hotpink}{(3p^2+3p)(\dfrac{4}{3}p)=-1} \qquad ・・・・・・➃ \end{array} \right. \end{eqnarray}$
➃より、$4p^3+p+1=0$
よって、$(2p+1)(2p^2-p+1)=0$であるから、
$2p^2-p+1=2(p-\dfrac{1}{4})^2+\dfrac{7}{8}>0$ より、$\textcolor{hotpink}{p=-\dfrac{1}{2}}$
よって、$p=-\dfrac{1}{2}$ のとき、➂より $\qquad \boldsymbol{a=-\dfrac{2}{3}}$
また、➀,➁より 求める接線の方程式は
$f(x)$について、$\qquad \boldsymbol{y=\dfrac{3}{2}x+\dfrac{1}{4}}$
$g(x)$について、$\qquad \boldsymbol{y=-\dfrac{2}{3}x-\dfrac{5}{6}}$
コメント